前回、転職を機に適応障害になってしまった…というお話を書きました。
私自身心身のバランスを崩したのは、新しい環境に慣れなかったせいだ、と思っていましたが、休職して家でゆっくりしてもなかなか体調は良くならず、むしろどんどん辛い状態になっていきました。
早く元気になりたい、でもどんどん辛くなる…
なんでこんな風になってしまうんだろう?と毎日毎日考えました。
結果、わかったことがありました。
「夫の目が怖い」
実は、パート勤務からフルタイム勤務に変わることをずっと夫に反対されていました。
その期間、3年ほど。
理由は「家事がおろそかになるから」
「俺の給料だけでも生活できるんだから、そんなにガツガツ働く必要ないでしょ」
でした。
でも、私は保育園看護師としての役割をしっかり全うしたい、という思いが強く、半ば夫の反対を押し切る形でフルタイム勤務ができる保育園に移ったのでした。
実際、4月からフルタイムで働き始めると、朝の出勤時間も早く家事は後回しになることも増えました。
働き始めて3日目の朝、さあ出勤しよう、という私の背中に向かって夫が一言。
「ごみは?」
「……え?」
と聞き返すと、
「最近、俺ばっかりゴミ出してるんだけど。」
この夫の一言が、その後も私の頭からずっと離れなくなりました。
「家事をきちんとやらなければ、仕事を辞めさせられるかもしれない。」
そんな強迫観念が私の中に生まれた瞬間でした。
そこから私はその強迫観念に突き動かされるように、完璧に家事をしようと毎日努めるようになりました。
疲れていても、休みたくても、常に夫の目を気にし、家事をしている姿をアピールするかのように動き続けました。
つまり私は勤務先の保育園でも、家の中でも、自分の思うように行動出来ず、
常に誰かに監視されているかのような感覚の中で過ごしていた結果、
適応障害を発症するに至ったのでした。
ちなみに、夫はいわゆる亭主関白タイプの人です。
子どもが小さい時は、家事を手伝ってくれることもありましたが、
だんだんそれもなくなっていました。
ゴミ出しは、そんな夫が唯一やっていた家事だったのですが、
それすら完全に自分に任されるのは嫌だったようです。
適応障害になったことで、私は自分の夫への気持ちに気付いてしまいました。
「この人と一緒にいたら、
自分の人生が侵食されてしまう」
気づいた瞬間、私は夫と同じ空間にいることが苦痛でしかなくなりました。
一緒にいるだけで、こらえてもこらえても吐き気と涙が溢れてきます。
10代後半の2人の子どもたちには、正直に全てを話しました。
「お母さんはもうお父さんと一緒にいるのが苦しすぎて無理なの」
「お母さんはおじいちゃんおばあちゃんのお家に行くけど、君たちはどうする?」
子どもたちは即答しました。
「お母さんと一緒に行くよ」
「お母さんがいないのに、お父さんと一緒に暮らすなんてありえない」
子どもたちにとっても、夫は心を開ける存在ではありませんでした。
何かの拍子に急激に機嫌を悪くしたり、声を荒げることがあり、夫の大きな声はずっと私たち家族3人にとって恐怖でしかなかったのです。
こうして3人で私の実家に移り、その後も夫とは別々に暮らすという決断をしたのでした。