一番苦しかった時期
(前回までの話・・・
中学校入学とともに、出来ないことや付いていけないことが増え、学校生活の中で「頭が真っ白になる」と訴えた娘。心配になって発達検査を受けた結果、娘のIQが69であることが判明します。その結果を見た私は涙が止まらなくなり…)
発達検査の結果は、中学校にも郵送をお願いしました。
すると、すぐに担任の先生から電話がきました。
「昨日、Sさんの教育相談での様子と発達検査の結果が書かれたお手紙が届きました。
Sさん、入学してからずっと大変苦しい思いをされてたんですね。私も普段の様子を見ていて、困ってるのかな?と感じた場面では出来るだけ声掛けするようにはしてたのですが、そこまで本人が大変な気持ちでいることに気付けていませんでした。申し訳ありません。」
50代男性の担任のI先生は、とても温かい雰囲気の先生で入学当初から親身になって相談に乗ってくださっていました。
なかなか学校に馴染めない娘が少しでもクラスの中で居心地よく過ごせるように、と色々と配慮してくださり、そんなI先生をSも私も大変信頼していました。
I先生は
「Sさんは検査の結果を知っているのでしょうか?」
と、まずはそこを一番に聞いておきたい、という感じで質問されました。
私は答えました。
「いいえ。検査の具体的な結果は本人には伝えてません。実は正直私自身のショックが大きくて…。今伝えても、娘はさらに劣等感を抱いてしまうと思いますし、本人もショックを受けるだろうと思うと話せなくて…。」
今にも泣きそうな気持ちでそう答えると、I先生は言いました。
「そうでしたか。わかりました。
ではお母さん、良かったら一度学校に来ていただいて、今後のSさんについてゆっくりお話をしませんか?
幸い、もう少しで夏休みに入ります。ゆっくりお話しする時間も作りやすくなりますから、是非夏休みに入ったらすぐにお話しましょう。」
2週間後には夏休みが控えていました。
学校が休みになれば、娘の精神状態も少し楽になるはずです。
よろしくお願いします、といって私は電話を切りました。
この頃、私は娘以上に精神が不安定になっていました。
発達の検査の結果を何度も頭の中で反芻しては、「もっとこうすれば良かった」「どうして気づいてあげられなかったんだろう」「これからどうなっていくんだろう」という思いがぐるぐると回り、娘の出来ないことばかりに目が行っては注意してしまう、という状態になっていました。
検査結果を知らない娘も、そんな私の変化には敏感に反応しました。
突然泣き出したり、部屋の中から物を投げる音や「もういやだ!」「こんな自分消えてしまいたい!」という叫び声が聞こえる日もありました。
私たち親子にとって、間違いなく一番苦しい時期でした😢
続きます。