メンタルクリニックでもらった新たな診断書を手に、私はある弁護士事務所を訪れました。
弁護士の先生は、私と夫、子ども達とのこれまでの話を一通り聞いた後、その診断書を見て一言。
「これはね、
間違いなく
モラハラです。」
ですよね。
やっぱりそうですよね。
そうなんです、モラハラなんだと思います。
でも、体調を崩すまで、私はそれに全然気づかなかったんです(*_*;
夫はこだわりの強い人で、頑固で、思い込みの強い人で、
しかも、否定されたりするとすぐにキレる。大きい声を出す。
私も子どもたちも、常に彼の顔色を見ながら行動し、彼の意思にそぐわない行動は極力控えるように過ごしていました。
そうなんです…
だけど、そういう夫を私だけは理解したいと思ってそばにいたのです。
私は彼の臆病さも、悲しさも、虚しさも、不器用さも全部受け入れて最期まで添い遂げようと本気で思っていました。
実際、そうやって20年以上一緒に過ごしてきたのです。
それが、急に出来なくなりました。
それまでは、上手くできていたのに。
どうしてなんだろう?
どうして急に出来なくなったんだろう?
弁護士さんと話しながら、私の中でしっくりこない何かがモヤモヤと湧き出てくるのがわかりました。
確かに、彼は客観的に見てモラハラ夫に違いありません。
そしてある意味、私は洗脳に近い状態でそれを受け入れていただけかもしれません。
でも、私は夫と出会った時に
「ああ!やっと会えた!」
という確信のようなものを確かに感じて、もし次に生まれ変わるようなことがあるなら、また夫と一緒になりたい!と心から思っていたのです。
なんでこんなことになったんだろう…
自分のことなのに、私はすっかりわからなくなっていました。
弁護士さんは、適応障害と不安神経症という診断のついた私の体調を気遣いながら、親身になって話を聞いて下さり、離婚に向けて今後どのようにしていったら良いか沢山のアドバイスをくださいました。
これから母子家庭となる身にとってそれらは現実と向き合うための大切な情報で、すっかり疲弊し弱りきっていた私は弁護士さんの言葉に沢山の勇気と元気を頂きました。
でも、その反面、私の心半分が絶えず違和感を感じていたのです。
弁護士さんに向かって、夫との嫌だったエピソード、苦しかったエピソード、悲しかったエピソードを語る自分。
そのエピソードは確かに事実で、弁護士さんからしても充分離婚に値し得る事由、と言ってくださるけれど、私が夫と離れたい理由は本当にこれらのことが原因だったんだろうか?
そのエピソードの積み重ねで、我慢に我慢を重ねた結果、私は「もう無理!」ってなってしまったんだろうか?
本当にそう?
本当に?
夫と離婚する、そのために動く
そう決めた後も、私のこの違和感はずっと消えませんでした。
なんでこんなことになったんだろう…
その疑問は、ある人との出会いをきっかけに、その後、解き明かされることとなりました。